アウプーアの父ちゃんは元気にしているだろうか。
鮫の子どもたちの歯。
アウプーアの父ちゃんはお酒を程ほどにしているだろうか。
地下道にある秘密の穴を抜けるねずみたち。
アウプーアの父ちゃんは時計を見たか。アウプーアの母ちゃんは群衆の多さに戸惑ったか。
ウォーターサーバーがぶくぶくと音を立てる。あ、クリオネ。
アウプーアの母ちゃんのささくれが辰巳の方角を指す。
餅みたいな口内炎。
アウプーア、私は月ではない。アウプーア。私は月ではないのだよ。アウプーア。白いものに語りかけられたアウプーア。それは黄色いものではなく真っ白い。
アウプーアの父ちゃんとアウプーアの母ちゃんは駅に座っていた。
タンバリンの枠組み。
一目。アウプーアの父ちゃん。アウプーアの母ちゃん。
アウプーアはこの事を忘れてはいけないと思った。
夢に書くことで気の抜けたソーダにしてもいけないと思った。
アウプーアはこの事を忘れてはいけない。