ロボットの片方の手をのぼっていって耳の穴から顔の中に入り込みのうみそ。このロボットにはのうみそがあって。のうみそを後頭部へ。毛穴から外を眺めると団地。団地の手前側には芝が生えていて、芝。芝と団地の切れ目のコンクリート。その上に猫が座っている。昼寝か。ふたたびロボットののうみそをくぐり色々な記憶。記録とかより記憶をたどる、ロマン派のメカで。なんだか1とか0とかが落ちていると思っていたのだけどそんなこともなく枯れ葉が何枚も何枚も落ちていてそれも色々な色。黄金色藤色マクドナルドの色、色々な色が落ちていて、それの一枚をよく見てみると葉っぱに、もしくははっ葉に映写された5秒くらいの映像は熱を出した子ロボをタクシーで小児科に連れて行くパパロボ、犬ロボに指を指す子ロボ、雨が降っているののを心配そうに見つめるおばさんロボ。どれもが虫に食われた古いハッパで画質も荒い。画質も荒いし幹側のところにいっちょうまえに♪のマークがあってばくばく揺れる、音をつける技能はないけれど好きに脳内で補完すればいいでないか、というのを暗にあらわしているのだろうかよくは分からない。よくは分からないながら反対の耳から肩の上を歩いて手を滑って帰る。家に帰るとぱらぱらぱらぱらぱらぱらぱらぱらと砂が落ちてくる。落ちた砂の間から花が一枚。
それはそうとあのロボットは何だったのだろうかなあと、ふと思う。
コーカサス?
コーカサスなわけはない、コーカサスってなんなのさ。